いまでも跋扈暗躍する「野球ゴロ」目当ては選手の契約金
球界には昔から「野球ゴロ」と呼ばれる人たちがいる。アマチュア選手とプロ球団の間に入り込んで、ひと儲けをたくらむ連中のことだ。
■「オレが間に入ったから」
例えば、ドラフト時に選手と球団の交渉役として介在。「オレが間に入ったからこれだけの金額になった」と選手の契約金の一部をフトコロに入れたり、「選手がお宅の球団に入るようにオレが説得する」とプロに金銭を要求したりもする。
選手の所属チームの関係者や少年野球時代の恩師などが「野球ゴロ」であるケースが多い。
野球ゴロが暗躍した典型例が、1998年のドラフトでオリックスが沖縄水産の新垣渚投手を1位指名したときのケースだ。
新垣は当時、地元・九州のダイエーへの入団を熱望、ダイエー以外の指名なら九州共立大に進学するといわれていた。
しかし、ドラフトで交渉権を得たのはオリックス。交渉役にあたった三輪田編成部長が、交渉の過程でマンションから身を投げて自殺。新垣は結局、指名を拒否して進学した。その過程で存在したのが野球ゴロだった。