レ軍サイン盗み「クロ」 MLB断定で露呈した日本球界の無力
「サイン盗み? 強いチームほどやっている」とは元メジャーリーガーの証言だ。
GMや監督のクビが飛んだうえに莫大な罰金まで食らったアストロズに比べて処分が軽過ぎるという声はあるにせよ、MLBは今回、当時のレッドソックスでプレーした選手を含む60人以上を調査。関係者のビデオや写真に加え、メールまで徹底的に調べたという。
インチキはやるが、ひとたび事件や問題が生じるとFBIのOBまで動員して白黒ハッキリさせるMLBに対して、日本の日本野球機構(NPB)は無力だ。
かつてのダイエー(現ソフトバンク)のサイン盗み疑惑にしても、調査委員会を設置したのは当事者であるダイエー。コミッショナーが指揮して徹底的に調査したとは言い難い。ドラフトの裏金問題やFA選手へのタンパリングにしても、コミッショナーに白黒をつけようという強靱な意思や調査力があるとは思えない。それどころか「視線はカネも力もある一部球団を向いている」といわれた時期すらあった。
今回の米コミッショナー裁定により、改めて日米の差が露呈したのだ。