こんなにいる!ユニホームから白衣に着替えた大リーガー達
ニューヨークの医療現場はコロナ禍で人手不足にあえいでいるため、医師免許を取得した医学生をひと月早く卒業させて最前線に送っている。そのひとりが元メジャーリーガーのマーク・ハミルトン医師(35)だ。
彼は一塁手としてカージナルスで2年プレーした後、2014年限りで引退。全国共通の医科大学院入試に合格してホフストラ大医科大学院(4年制)に進んだ。ドラフト2巡目指名の野球エリートでありながら引退後、医学の道に進んだのは父親ががん医療の最高峰MDアンダーソンがんセンターの病理部門でヘッドを務める腫瘍内科医で、小さい頃から医学にまつわる興味深い話を聞かされて育ったからだ。
日本のオールドファンの間で、知られているのはゲイル・ホプキンスだ。彼はメジャーで7年、広島と南海で計3年プレーした後、ラッシュ医科大学院に進み整形外科医になった。13年には思い出深い広島で開催された日本整形外科学会に招待され、自分の野球人生とスポーツ医学の技術革新について講演を行い話題になった。
元大リーガーの中には、野球界にUターンする者もいる。ヤンキースの元三塁手ボビー・ブラウンはユニホームを脱いだ後、テキサスで心臓内科医になるが、1974年に地元レンジャーズの要請で球団社長代行に就任。この時は短期間で医業に戻ったものの、84年に医者をやめてからは、ア・リーグ会長を11年間務めた。メッツなどに11年間在籍したリリーフ投手ロン・テイラーは、球界を離れると、トロント大の医科大学院に進み内科の勤務医に。野球界と縁が切れず地元ブルージェイズのチームドクターに就任した。試合のある日は球場の医務室に詰めるだけでなく、ゲーム前には打撃練習の投手を買って出る熱の入れようだった。