甲子園春夏中止の経済損失1000億円 高校も宿も死活問題に
失うものはデカい。
19日、関大名誉教授の宮本勝浩氏(理論経済学)は、夏の甲子園大会が中止になった場合の経済的損失が約672億円になるとの試算を発表した。同じく宮本氏が試算した春のセンバツの中止による損失額(約290億円)と合わせると実に1000億円に迫る。
春夏連続中止となれば、その「経済波及効果」を受ける球場周辺のホテルや飲食店などは大きな痛手を被る。甲子園球場から程近いホテルヒューイット甲子園の水谷肇支配人は、「高校球児や高校野球を楽しみにされていた方々にとっては本当に気の毒です。我々もセンバツとプロ野球の延期に加え、夏の大会もなくなれば死活問題です」と話す。同ホテルは甲子園期間中ともなると予約を取ることすら困難だが、外国人観光客の大幅減やUSJなどの近隣レジャー施設の休業もあり、まさに「トリプルショック」(同支配人)だという。
■関連ビジネス、高校も死活問題
全国の高校もダメージは大きい。甲子園に出場するような強豪校の多くは学校の宣伝戦略の一環として、全国から特待生や奨学生をかき集めるなど多くの負担によりチームを強化している。甲子園に出場すればNHKなどの全国中継を通じて、一気に学校の名前が売れる。