ドラフト目玉 中京大中京・高橋宏斗お受験にプロやきもき
入試の結果次第
コロナ禍を経ても、高橋の評価は揺るぎないようだが、一方で本人は大学進学も視野に入れている。
試合後、今後の進路について「これから考えますが、基本は進学で考えています。プロ志望届を出す選択肢も残っています」と慎重に話した。
高校2年時のクラスメートである3年生部員のひとりは、高橋の校舎内での素顔をこう語る。
「普段はうるさいくらいよくしゃべりますが、授業中は真面目に話を聞いて、分からないことがあれば先生に質問もしています。ただ、その割に成績はフツー。というか良いというほどではないですね(笑い)。慶大で野球部に在籍したお兄さんに憧れているみたいですけど、(進学かプロかは)まだ踏ん切りがつかないみたいです」
愛知の地元関係者は言う。
「慶大の推薦入試を受けると聞いていますが、かなりの難関です。例えば昨夏のAO入試では競争率が約10倍の学部もあった。全国大会で優勝している高橋といえども、合格する保証はどこにもない。最終関門となる2次試験の合否は10月上旬に判明するため、その結果次第でプロ志望届を出すのではないか」
プロ側も高橋の意思を把握しており、入試の結果を注視するという。
■早大の左腕・早川のキズ
「同じく1位候補の左腕、早大の早川の評価が難しい分、なおさら高橋の結果が気になります」と、セ球団のスカウトがこう続ける。
「早川は去る10日、約4カ月遅れで開幕した東京六大学春季リーグの明大戦に先発し、155キロをマークして完投勝利を挙げた。球速はあるし、変化球のキレもある。能力が高いのは間違いありませんけど、評価が分かれる投手でもある。時として体の開きが早く、リリースポイントが安定しない。その結果、球が浮いて痛打を浴びるなど、ここぞという時の球の精度に課題がある。早川くらいの球威、球速があれば大学生相手に圧倒的な投球をして当然なのに、六大学通算8勝12敗(11日現在)となかなか勝ちきれない。コロナ禍で秋季リーグが行われるかどうかも未定で、早川をチェックできる機会は限られる。左腕が欲しい球団はまだしも、地元球団である中日など、高橋がプロ入りを表明すれば、早川から高橋へと舵を切る球団も出てくるでしょう」
プロ入りか、それとも慶大進学か。高橋の進路が、今秋ドラフトの行方を大きく左右しそうだ。
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