新谷仁美直撃<5>私の選手寿命は企業やスポンサーが決める
――競技生活を続ける気十分だと。
「私の選手寿命を決めるのは企業やスポンサーです。それ以外の人たちから、あれこれ言われるのは嫌ですね」
■陳列棚に並べていただける限り
――14年1月、25歳の若さで一度現役生活にピリオドを打ちましたね。
「医師には、痛めている右足かかとは手術しても治るかわからないと言われました。オリンピックにも出たし、これで競技をやめられるという気持ちもあった。引退してからは、陸上界の外に出て普通の会社で事務の仕事をしました。でも、この世界では生きていけないと思いました。前にも言いましたが、OLよりも手っ取り早く稼げると思ったので、約5年間のブランクを経て陸上界に戻りました。今やるべき仕事はこれ(陸上)だと、はっきりわかった。陸上でお金をもらっているわけですから、私は自分を商品だと思っています。所属する積水化学のために貢献し、ナイキの商品を買っていただくために看板を背負っている。支援してくださる企業が、私を陳列棚に並べてくださるなら戦い続けます。廃棄されるならそれがやめ時です。私のクビを決めるのは企業やスポンサーであって、外部の人やマスコミではありません」
(聞き手=塙雄一/日刊ゲンダイ)