澤村に続きチェン獲得 ロッテ大補強のウラに親会社の戦略

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■ブランド力の回復

「チェンの獲得は営業効果も加味しているのではないか」とロッテOBはこう続ける。

「優勝への本気度をアピールすることで、ファンの関心を集めるだけでなく、台湾のファン獲得も視野に入れているのでしょう。ロッテにはすでに、台湾出身であるチェン・グァンユウが所属。楽天が買収したラミゴとかねて親善試合を行うなど、台湾市場を重視してきた。台湾のテレビ局である『台湾FOX』は16年からパ・リーグの中継権を購入している。チェンは台湾のスター選手。親会社の日本ロッテは台湾法人を運営しており、現地でさらにロッテへの関心が高まれば、少なからず本業の売り上げにプラスが見込めます」

 本社のバックアップもありそうだ。ロッテに関する著書もある経済ジャーナリストの松崎隆司氏はこう指摘する。

「今年4月、創業者である故・重光武雄氏の次男・昭夫氏がロッテホールディングスの会長に就任。日韓ロッテのトップになるとともに、球団のオーナーに就任した。ただ、今のロッテは一族による『お家騒動』やコロナ禍による経営損失もあり、企業のブランド力が低下しているのが実情。かねて野球好きである昭夫氏が球団経営をバックアップ、リーグ優勝を果たすことで、本社のブランド力回復の足掛かりにしたいと考えている可能性はあります」

 日本法人に関しては22年の株式上場計画もあるという。

 近年になく本気で動くロッテは、ますます今季のパの優勝争いを面白くさせそうだ。

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