“電鉄のおもちゃ”元凶は星野仙一氏が看破した親会社の体質
阪神タイガースの親会社である阪神電鉄は、本業が鉄道事業だけに何より安全第一。タイガースの選手がわずか半年の間に2度も集団でコロナに感染、しかも合コンやルール破りの会食が原因という事実は、親会社にとって大きなダメージに違いないが、自業自得ではないかという指摘がある。
「コロナ禍で球界はいま、非常事態です。本来はフロントが厳しく選手を管理すべきなのに、阪神はそれができない。クチでイカンと言うだけで、基本的に嫌われることは言いたくない。多くは現場任せで、何かあったときの責任は取りたくないと考えている。そういう人たちをフロントに送り込んでいる親会社の責任も大きいと思いますね」と、元阪神球団社長である野崎勝義氏はこう言った。
「タイガースは状況によっては親会社以上に影響力がある。特別な子会社なのに、親会社はそうは思っていません。亡くなった星野仙一さん(元阪神監督)が『電鉄は球団をおもちゃのように見ている』と言っていましたが、まさにそういった位置付け。オーナーのおもちゃや趣味というか、トレードひとつにしてもオーナーの決裁が必要になる。タイガースという球団は影響力のある組織ですから、しかるべき人をフロントに置いたら、彼にすべてを任せて、うまくいかなかったときは彼に責任を取らせる。そうしないからフロントの責任者はオーナーの顔色ばかりうかがうようになる。球団の責任者には親会社と衝突するリスクを背負ってでも、言うべきことは言える人材を置くべきです」