■しなくてもいいケガ
前出の中澤氏が言う。
「稽古場では負けてもいいんです。強くなるための稽古に、勝ち負けは関係ない。今の力士は体重の増加に加えて、ケガをしないための稽古を怠っている。だから、ちょっとしたことでケガをしてしまう。『3年先の稽古』という言葉もあるように、基礎をおろそかにしている以上、しなくてもいいはずのケガは減りませんよ」
芝田山広報部長(元横綱大乃国)も正代については、「稽古量が足りないということ」と話している。体重増の歯止め、稽古の見直しを図らなければ、土俵の改革は絵に描いたモチだ。