巨人独走Vも日本Sへ長い空白…「90年に酷似」と数々の証言

公開日: 更新日:

3連敗でも勝算が見えた89年とは違う

 その前年、89年の近鉄との日本シリーズは3連敗の後に4連勝して日本一。最後の第7戦で加藤哲から本塁打を放つなど、23打数12安打で打率.522と打ちまくり、MVPを受賞した駒田徳広氏がこう語る。

「独走で優勝した後に時間があるという点では、確かに今年は90年と似たところはあると思います。ただ、あの年はなんといっても投手陣が良くて負ける気がしなかった。よく日本シリーズまで間隔が空いたことを指摘されますが、それは3番目の原因だと思う。やはり1番大きかったのは、絶対エースの斎藤が初戦に投げなかった、あるいは投げられずに落としたこと。斎藤が相当な疲労を抱えていることは、シーズン終盤からみんな分かっていた。初戦を落として、流れを引き戻せなかった。2番目はプレッシャー。前の年に3連敗から4連勝しているだけに、いつも以上に勝たないといけないという大きな重圧がかかった。私が活躍できた89年の近鉄戦は3連敗している時も不思議とまだチャンスはあると思えた。それが、90年の西武戦は全く勝算が見えなかった。それだけ一方的でした」

 第1戦は槙原が6回4失点。第2戦は斎藤が3回途中7失点でKO。第3戦は桑田が8回7失点で3連敗となった。前年はここから大逆転。第4戦はそんな期待を一身に背負った宮本だったが、あえなく5回途中5失点でジ・エンドとなった。4試合とも4点以上の大差をつけられての完敗。屈辱の4連敗となった。

 駒田氏は「あの年の斎藤の二の舞いにならないように、今年はエースの菅野智之がしっかり先陣を切って、チームに勝利をもたらすこと。そして、坂本勇人岡本和真丸佳浩の中軸3人がブレーキにならないこと。それ以外のラッキーボーイが出現するか」と勝利の条件を挙げる。

 中村氏は「今年の巨人ヤクルト(15勝6敗3分け)と阪神(16勝8敗)といった“お得意さま”から貯金(22のうち17)を稼いだことが大きい。坂本には2000安打という目標があったが、巨人はシーズン終盤、覇気がない試合を消化していたところが、あの年と重なる。ソフトバンクは14、15日に本気でCSを戦っている。巨人は昨年も4連敗を喫しているわけで、よほど引き締めてかからないと、またやられてしまいますよ」と警鐘を鳴らす。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    六代目山口組・高山若頭の相談役人事の裏側を読む

  2. 2

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  3. 3

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  1. 6

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード

  2. 7

    “路チュー報道”STARTO福田淳社長がフジ新取締役候補というブラックジョーク…堂本光一も痛烈批判

  3. 8

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 10

    ダウンタウン浜田雅功“復帰胎動”でまたも「別人疑惑」噴出か…中居正広氏「病後復帰」では陰謀論がワンサカ