「走れ!」偵察に来た王監督は西武の選手に声を張り上げた

公開日: 更新日:

 本来、監督は戦況から一歩引いて試合を見る立場にある。次、さらにその次と先を読む。作戦を立て用兵を考える。それがまるで自分のチームが試合をしているかのように、手に汗を握り、一喜一憂する王監督。記者席がグラウンドレベルにあったため、自軍のベンチにいると錯覚したのだろうか。

 これだけのめり込める野球への熱い思いが、選手として前人未踏の通算868本塁打を打たせたのだと感じた。と同時に、果たしてこれで西武に勝てるのか、と心配になった。

 結局、日本シリーズは森監督率いる西武が4勝2敗で巨人に勝ち、日本一に輝いた。今はセとパのチームがシーズン中に対戦する交流戦が行われ、相手チームのデータ収集、分析能力も向上した。偵察の光景はすっかり見られなくなってしまったが、日本シリーズになると王監督の姿を思い出す。

▽富岡二郎=スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…