楽天涌井“3球団最多勝”で年俸増 課せられるもう一つの役割
楽天の涌井秀章(34)が契約更改交渉を行い、3500万円増の年俸1億6000万円でサインした。
ロッテ時代の昨季は3勝7敗だったが、移籍1年目の今季は11勝4敗で最多勝に輝いた。西武時代の2007、09年、ロッテでの15年に続く4度の最多勝は稲尾和久、野茂英雄と並ぶリーグタイ記録。3球団での達成は史上初の快挙だ。
そんな衰え知らずの右腕には来季、マウンド外でも重要な役割があるという。石井一久新監督(47)と投手陣の緩衝材だ。石井監督はGM専任だった昨オフ、就任1年目でチームを3位に導いた平石監督(現ソフトバンク一軍打撃コーチ)を、「僕の中では3段階に分けたらBクラス」という理由で解任。地元ファンから批判を浴びた。
球団OBが、「仮に来季3位以下なら、自分で自分に引導を渡さなければ筋が通らない。チームにも、石井監督に不信感を抱いている選手が少なからずいる」と続ける。
「平石監督は楽天の生え抜きで、選手からの人望も厚かったからね。涌井は石井監督とは西武時代からの付き合い。後輩に対して偉ぶらず、ひょうひょうとしている石井監督を兄貴分として慕っていた。『石井監督を男にする』と言っている浅村もそうですが、西武時代に同じ釜の飯を食った選手とナインの間には、新監督に対する思いに温度差がある。涌井は背中でナインを引っ張るタイプだが、今後は非難の矛先が石井監督に向けられないよう、言葉でも投手陣をまとめる必要がある」
この日も「自分は石井監督のことをよくわかっている」と話した涌井。グラウンド内外でフル回転する必要がありそうだ。