巨人菅野“後ろ向き”のメジャー挑戦…先駆者に鼻で笑われる
今年なら「42億円」も来年は「16億円」
今回のポスティング移籍の場合、所属球団への「移籍金」が発生する。金額は契約金などを含む選手の年俸総額によって決まる。契約した年俸総額のうち2500万ドル(約26億円)まではその金額の20%。同様に2500万ドルを超えて5000万ドル(約52億円)までの分は17.5%、5000万ドルを超えた分は15%、移籍金は3段階の金額の合計となる。FA権を使った移籍なら、これが発生しない。1年待てば、移籍金の分、菅野の取り分に上積みがあるのか。メジャーリーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう指摘する。
「今回の譲渡金は6億~8億円ほどとみられていますが、それより1年待つと、デメリットの方が大きくなります」とこう続ける。
■年齢の壁
「まずは年齢です。メジャーには基本的に35歳にかかる年までの契約を結ばないという不文律があります。今なら3年3000万ドル(約31億円)~4000万ドル(約42億円)の契約が結べるでしょう。けれども、仮に来年も巨人に残り、今年(14勝2敗、防御率1.97)同様の好成績を残したとしても、33歳になる2022年に挑戦することになるので、年数は良くて2年。契約は1500万ドル(約16億円)~2000万ドル(約21億円)程度で、今回から半減する可能性が高い。しかも、これは13連勝した今季同様の活躍をした場合です。来年は間違いなく成績は落ちるでしょうから、市場価値は急落します。さらに、今オフはメジャーの先発投手が『売り手市場』だということ。エースクラスはもちろん、各球団の先発2、3番手クラスがほとんど市場にいない。そのため、菅野はレッズのバウアーに次ぐ2番手の評価となっています。こんなチャンス、来オフにはありませんよ」
菅野のメジャー挑戦にかける気持ち自体に疑問符がつく上、仮に1年待つとすれば、実入りも半分以下になりそうだ。