虎助っ人8人体制も“危険な三角関係”で内紛ゴタゴタの予感
「外国人選手を8人も抱えたところで、試合で使えるのはたったの4人。これが新たな火種を生みかねない」
阪神OBがこう言った。
阪神は23日、韓国プロ野球で20勝をマークしたアルカンタラ(28=斗山)の獲得を発表。契約条件は2年総額4億円規模とみられる。
先日は前ロッテの左腕・チェンをアルカンタラとほぼ同条件で獲得。韓国で本塁打、打点の2冠を達成したロハス・ジュニアの入団も決定的となっている。残留が決まったサンズら4選手に加え、守護神のスアレスが残留すれば、阪神は来季も今季と同様、助っ人8人体制で臨むことになる。
メッセもマートンも…
今季、コロナ特例として認められた外国人選手の出場登録枠は来季も「5」で維持される見通しだが、実際に一軍ベンチ入りできるのは4人だけ(投手、野手ともに3人まで)。今季セーブ王のスアレスは外せないとすれば、残り3枠を誰にするのか、矢野監督は難しい判断を迫られることになる。
弱点の攻撃力をカバーするなら、野手を優先する手もある。今季のチーム打率はリーグ5位の・246、総得点は同4位の494得点にとどまった。外野手のロハスとサンズを両翼に置き、マルテを一塁に据えれば、超攻撃的な布陣を敷くことができる。
「ただ、今年のドラフトで1位指名した黄金新人の佐藤(近大)を簡単には外せない。ロハスら3人が左翼と一塁の2枠を争うかたちになるでしょう」
とは、前出のOB。
「そうなると、3人のうちの一人が一軍の試合に出られず、二軍暮らしを強いられる。球団や首脳陣は外す選手を納得させる必要があるが、果たして阪神にそれができるのかどうか。阪神は以前から助っ人選手を巡るゴタゴタが少なくない。昨季限りで引退したメッセンジャーや、14年に首位打者を獲得したマートンも揉め事を起こしたことがある。19年にはソラーテがスタメン起用されなかったことを理由に“職場放棄”をし、解雇された。阪神は助っ人選手に大金を積んでチヤホヤするので、彼らからすればワガママを許されていると勘違いする。その半面、成績が伴わない場合の見切りも早い。高年俸をもらうロハスにしても、阪神で一定の実績を残したサンズやマルテにしても、プライドがある。扱い方次第では内紛を引き起こしかねませんよ」
大金をかけて助っ人をかき集めたことが、かえってマイナスにならなければいいが……。