FC東京をルヴァン杯制覇に導く 長谷川健太監督の実像<上>
もちろん守ってばかりでは勝てない。
1-1で迎えた後半は立ち上がりから柏がボールを保持し、FC東京は攻められる時間帯が続いた。そこで長谷川監督は「どのタイミングで(交代出場のFWアダイウトンとMF三田を)入れて(チームの)パワーを引き出すか、考えていた」と戦況を見守った。
そして後半66分にFC東京がFKを獲得。名手FWレアンドロのシュートは、ゴールの右角を叩いて外れた。
ここが勝負の分かれ目だった。
長谷川監督は「FKが外れたので入れようと思った」と決断し、直後にキャプテンのMF東に代えアダイウトンを、FW原に代えて三田を投入。4-2-3-1の布陣をFWレアンドロとFW永井の2トップとし、アダイウトンと三田を両サイドMFに配する4-4ー2にシステム変更した。
すると同74分、永井が頭で前線に送ったボールにアダイウトンが好反応し、トーキックで決勝点を突き刺した。柏のネルシーニョ監督は「我々のいい時間帯に一瞬、守備の集中が切れた」と悔やむしなかった。