FC東京をルヴァン杯制覇に導く 長谷川健太監督の実像<上>
「FKが決まっていれば(交代は)違っていたかもしれない」と長谷川監督は述懐したが、確かに交代する選手やタイミングが変われば、また違った決着になったかも知れない。が、いずれにしても一瞬の決断が明暗を分けたことは確かだ。
■監督就任で変わったことは「練習開始」に現れた
FC東京というチームは、スマートな印象がある反面、勝負弱いといったイメージも強いのではないだろうか?
そんなFC東京に長谷川監督が就任したのは2018年のことだった。その前の2シーズンは、成績低迷が原因で<シーズン途中に2度の監督交代>を繰り返していた。
16年は明治大卒のルーキーDF室屋、レンタルバックしたMF中島がリオ五輪に出場し、現スペイン1部ヘタフェのMF久保建英が15歳5カ月2日でJリーグデビューを飾るなど明るい話題もあった。しかしリーグは9位と中位に埋もれ、ルヴァン杯はベスト4で、天皇杯はベスト8で姿を消した。
17年は大久保嘉人、ピーター・ウタカ、永井謙佑ら攻撃陣を補強。チームメイトのFW前田遼一を含めて<Jリーグ得点王3人>を擁する豪華な布陣となった。しかし、リーグは13位と順位を下げ、ルヴァン杯ベスト8に天皇杯3回戦止まりと不本意なシーズとなった。