FC東京をルヴァン杯制覇に導く 長谷川健太監督の実像<下>
トップは前田や大久保、ピーター・ウタカらが交代で務め、永井はベンチスタートが役回りの試合もあった。シーズンが進むにつれて成績不振もあり、永井が2トップや1トップにコンバートされることもあった。その結果、試合出場は30を数えたが、肝心かなめのゴールは「1」にとどまった。長谷川監督が永井にかけた言葉は、非常にシンプルな「シュートで終われ」のひと言だった。
「永井はサイドで使われることが多かったのでシュートを打てるところでもクロスを入れたり、ゴールに向かわずにサイドに流れたりしていたから」と長谷川監督は説明した。意識をガラッと変えた永井は、ディエゴ・オリベイラと2トップを形成して5ゴールをマーク。復活のノロシをあげた。守備の際もスピードを生かして<前線からプレスを掛けてボール奪取の起点>となり、チーム戦術であるショートカウンターを仕掛けてゴールを奪うーーというチーム戦術にフィットした。
永井は19年6月、森保ジャパンに初招集されて4年ぶりの日本代表復帰を果たし、同月9日のエルサルバドル戦では、代表初ゴールを含む2得点の活躍で勝利に貢献した。