ネイサン・チェン71年ぶり全米5連覇 羽生も舌を巻く精神力
世界王者が圧巻の滑りを披露した。日本時間18日のフィギュアスケート全米選手権(ネバダ州ラスベガス)男子シングルで、2019年世界選手権覇者のネイサン・チェン(21)が5連覇を達成。同種目での5連覇は1950年大会のディック・バトン以来71年ぶりの偉業である。
チェンは冒頭の4回転ルッツこそ着氷が乱れて珍しく手をついたが、その後は4本の4回転を決めて、前日のショートと合わせて322・28点で頂点に立った。
「最初こそ失敗したが、その後は落ち着いた滑りができた」と、チェンが振り返ったように、ジャンプでミスしてからは別人のようなスケーティングだった。
名門エール大学で統計学を専攻する学生スケーターは、2022年北京冬季五輪を見据えて昨年、休学。競技に専念しているものの、それまではフィギュアと大学の講義を両立してきた。試験前やリポート提出に追われる時期は学業優先。リンクに立つのは授業の合間のみ。短時間で集中的に練習をこなしてきたという。
名門大学で培ったチェンの高い集中力にはライバルである羽生結弦(26)も「すごい」と舌を巻いている。
その羽生も強い精神力の持ち主だけに、久々の直接対決となる3月の世界選手権(ストックホルム)では互いに意地のぶつかり合いになりそうだ。