阪神ドラ1佐藤輝明を早くも襲う“打撃にメス”の悪しき伝統
■2015年ドラ1高山も伸び悩み
佐藤はかねて、「対応力」が課題といわれてきたが、チーム周辺では早くも、佐藤の打撃を不安視する声もあるというのだ。前出のOBが言う。
「評論家も結果が出なければ、批判的な意見も言わざるを得ない。そうした意見は首脳陣の耳にも届く。金本前監督は在任中、起用などについて評論家から批判的な意見が出てくると、やり方を変えないといけない雰囲気になったそうです。日本一熱狂的なファンやメディアを簡単には無視できないからです。矢野監督がどこまで我慢できるかにもよりますが、早ければ9日、11日の日本ハムとの練習試合の結果次第で、打撃フォームにメスが入るかもしれません」
キャンプ早々にフォーム改造の話が出てくるなど、周囲がかまびすしい阪神ならではといっていいが、これが脈々と続く阪神の悪しき伝統になっているとの指摘もある。
「ただでさえ阪神は、欠点を修正することにとらわれがちなところがある。選手の長所が消え、小さくまとまったり、伸び悩んだりするケースが少なくない。2015年ドラフト1位の高山は1年目に新人王を獲得したものの、その後、長打重視のフォームに取り組んだことで迷いが生じ、伸び悩みの原因になったといわれている。選手は一度、フォームを変えると、よほど器用な選手でなければ元に戻すことは難しい。佐藤が目標とする同じ左打者のソフトバンクの柳田が頭角を現したのはプロ3年目。プロ入りして以降、当時の秋山監督から、『自分のスタイルを崩さなくていい』と事あるごとに声を掛けられたからこそ、小さくまとまることなく、フルスイングを貫くことができた。阪神にそこまでの度量があるのかどうか……」(球界関係者)
佐藤が悪しき伝統にのみ込まれなければいいが。