39歳でJ目指した時は年収1000万円…完全に勘違いしていた
14年から社会人リーグでプレーを再開していたが、ボールを蹴れば蹴るほど、封印したはずのプロサッカー選手への思いが再燃。「夢はお金では買えない。人生の後悔を取り戻しにいこう」と17年8月に決意。Jリーガーを目指すことを堂々と宣言したのだ。
そのとき39歳。40歳でのJデビューを実現するには、生活から見直すしかない。安彦は仕事を全て辞め、肉体改造から着手。その資金85万円をクラウドファンディングで募るという大胆行動に打って出た。さらに元日本代表DF箕輪義信氏(菅高校教諭)、冒険家の栗城史多氏(18年5月逝去)らの力強い応援を励みに前進を続けた。
「17年末に水戸にプレゼンする機会を得ました。大宮通訳時代の選手だった西村卓朗GMがいたことが大きかったんです。彼らには『年俸0円』『選手間へのクラブ哲学の浸透』『営業面を含めた貢献』を強調。『ピッチ3・ピッチ外7の割合でも絶対にプラス効果が大きい』とアピールしたんです。その結果、18年年明けからの練習参加が許されたんです」
これがJリーガーへの本当のスタートだった。=つづく
(取材・構成=サッカージャーナリスト・元川悦子)