有名無実で問われる大関の存在意義 いまだ揃って安泰なし
大関が「無用の長物」の代名詞となる日も近そうだ。
場所前に鶴竜、3日目から白鵬が休場した3月場所。横綱不在の本場所を盛り上げてしかるべきは3人の大関陣なのに、9日目が終わって大関陣全員が安泰の日はいまだゼロなのだ。
22日は朝乃山(27)、貴景勝(24)は勝ったものの、正代(29)は黒星。大栄翔の回転の速い突っ張りに何もさせてもらえず、あっさり押し出された。大関の誰かが負ける日が続いている。
言うまでもなく大関は横綱に次ぐ序列2位。そりゃあ、負けが込む場所もあるし、歴代大関陣の成績を眺めても「常に優勝争いを演じていた」者はひとりもいない。
横綱不在となれば話は別だが、今の大関陣から自分たちが角界を背負うんだという気概や意欲は感じられない。朝乃山と貴景勝は仲良く3敗で並び、正代は5敗とカド番の足音が聞こえつつある。
この3人中、昇進後に優勝経験があるのは昨年11月場所の貴景勝ただひとり。2横綱が5場所連続で休場しているにもかかわらず、主に平幕力士が賜杯をかっさらっていくのを指をくわえて見ているだけだ。