高校球児の伸びしろは春と夏のセットでチェックして測る
名前は伏せるが、今回のセンバツで微妙な投手もいた。投球フォームはいい。実に理にかなった投げ方をしているが、球速は140キロに届くか届かないか。現時点でドラフトの対象にしている球団はおそらくない。けれどもフォームのいい投手は、夏にかけて体力や筋力がついて急激に成長するケースがあるだけにマークが必要だ。
■中京大中京の畔柳は直球が力強い
25日、夏も必ずチェックしなければいけない選手がいた。初戦で専大松戸(千葉)を6安打完封した中京大中京(愛知)の畔柳亨丞だ。
ストレートはコンスタントに140キロ台をマークし、3者連続を含む12個の三振を奪った。フォームには勢いがあり、球質も力強い。変化球は特にスライダーがキレていた。序盤はボールが高めに浮いたが、試合中に立て直すことができたのも評価のポイントだ。総合的に高校生として素晴らしいモノを持っているし、ドラフトの対象選手だ。
敗れたものの専大松戸の先発投手、深沢鳳介はかなりの可能性を秘めていると思う。ストレートの最速は143キロだが、球速表示以上に伸びる球を投げていた。コントロールも非常にいい。これから力をつけてもう少し球威が増すと、あのタイプはかなり良い投手になる。
この2人は夏までにどれだけ伸びるか楽しみだ。(おわり)