“2日天下”に終わった欧州スーパーリーグ構想の深層<下>
古くは元フランス代表のミシェル・プラティニを始め、ビッグネームを引き入れて現在はポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドがプレーしている。すべては「フィアット社で働くトリノ市民に夢を与えるため」と昔からいわれてきた。
ベルルスコーニは、実業家として功成り名を遂げただけでなく、政界に進出してイタリア首相を4度に渡って務めた。
1990年のイタリアW杯を取材した際にミラノで知り合い、その後はサッカーダイジェストにイタリアの記事の執筆をお願いしたU記者によれば「パルマなど新興チーム(当時)にとって、セリエAのオーナー会議に出ること自体がステイタスです。ドン・アニエリやベルルスコーニと同じテーブルに着く。それだけで夢見心地になってしまう」とセリエAのオーナーは、特別な存在であることを教えてくれた。
こうした観点から今回の欧州スーパーリーグ(ESL)の一連の動きを見ると、イングランドは歴史的に多くのクラブのユナイテッド(連合)として誕生し、あくまでファン(会員)あってのクラブという認識がベースにあり、スペインとイタリアはパトロン(オーナー制)なので、ESLへの不平・不満、批判に対するリアクションに差が出たのではないだろうか。