ソフトバンク自主的に無観客検討「損して得とれ」の皮算用
長い目で見れば利益につながるということだ。
18日、緊急事態宣言中の無観客を自主的に決めたソフトバンク。17日に孫正義オーナーが突然、ツイッターで「緊急事態宣言解除の日まで自主的に無観客試合とすることを検討したいと思います」と発言。球団内で協議をした結果、今回の判断となった。
ソフトバンクはここまで5000人を上限とした観客制限で主催試合を行っていた。
オーナーの指令ならば反対はできないだろうと思ったら、「実は指令ではないんです」とはソフトバンクの関係者だ。
「オーナーは、球団に対して『検討しろ』と言っただけ。無観客を決断したのは、あくまでも球団なのです。なので、払い戻しになるチケット代などについてオーナーや本社からの損失補填はありません。通常業務内でのリスクということになります」
ソフトバンクが危惧したのは、今月28~30日に行われる巨人との交流戦だという。
「巨人戦は1日当たり1万5000人前後が見込まれていた。ソフトバンクが観客の上限を5000人と決めたのは今月6日。しかし、それ以前に販売・予約していた分のチケットや年間指定席はその制限に入らないからです。しかも相手が巨人となると、九州各地や東京からもお客さんが来る。球場内の感染防止対策には自信がありますが球場に来るまでの人の流れ、公共交通機関の混雑は我々にはどうしようもない。球団が一番恐れているのは緊急事態宣言の延長なのです。6月下旬からは集客が見込める『鷹の祭典』がある。いま感染拡大を防いで緊急事態宣言が解除されれば、鷹の祭典では最大収容人数の半分、約2万人は入れられるのでは、という期待もあります」(前出の関係者)
無観客は先を見据えてソロバンをはじいた結果というのだ。