結婚式前日の黒木知宏を乗せたゴルフカートが木と正面衝突
そんな黒木は、ダブルエースの小宮山悟とともにチームを牽引。97年から01年まで5年連続2ケタ勝利をマークした。しかし、01年途中に右肩をケガして以降は、本来の投球をすることができなかった。二軍コーチ時代、黒木が浦和球場で黙々とウエートやランニングに励んでいた姿が印象的だった。
07年限りで現役引退、翌08年3月にロッテの計らいで、引退セレモニーを行った。私は一軍ヘッドコーチを務めていた。男泣きする黒木の肩を叩きながら、「ごくろうさん」と声をかけた。34歳での早い引き際だった。
同郷の後輩だから他の選手以上に思い入れがあった。もったいないな、残念だな、という気持ちでいっぱいだった。通算76勝。故障さえなければ、もっと多くの勝ち星を稼いだことだろう。(つづく)