気持ちの優しい伊良部秀輝が起用法についてコーチと口論
ロッテや阪神、メジャーで活躍し、日米通算106勝を挙げた伊良部秀輝は1987年、尽誠学園高からドラフト1位で入団。193センチと背が高く、プロ入り当初はまだひょろっとした体形だったが、とても将来性を感じた。
1年目から一軍で登板し、2年目には156キロをマークした。ストレートが速い上に、フォークのキレも素晴らしかった。後ろで守っていて、とても守りやすい投手だったし、つくづく同じチームで良かったと思った。
徐々に体つきもよくなり、94年に15勝を挙げて最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得。リーグを代表する投手になった。
打席で伊良部の球を見たことはなかったけれど、守備位置から伊良部の投球を見ていると、投球術というか、相手打者への対応の仕方が年々、うまくなっていったように思う。フォームなどの研究に熱心で、チームの先輩である牛島和彦を慕って、いろんなアドバイスをもらっていたとも聞いた。村田兆治さんら凄い投手を見てきたが、伊良部はその中でもトップクラスだと思う。
伊良部が若手の頃、複数のチームメートと一緒に、何度か食事をしたことがあった。とても素直で、笑顔を絶やさなかった。愛嬌があって、個人的にも好きな後輩の一人だった。