阪神救援陣崩壊危機 セットアッパー岩崎の穴を埋めるのは
■新リリーフスター出現の伝統
しかし、そうなると阪神のリリーフ陣は一気に手薄になってしまう。盤石だと思っていたのはスアレスと岩崎が元気だったからで、彼ら以外のリリーフ陣には肝心の実績が乏しい。岩崎と同じ左腕の岩貞祐太はリリーフに転向してからまだ2年目だし、しかも今年は決して安定しているわけではない。右腕では馬場皐輔がよく起用されているが、まだまだ発展途上だ。
交流戦以降、リリーフの失点が敗因のひとつとなった試合はいくつもある。そうこうしているうちに、先発投手も崩れ始めるという悪循環だ。
だけど、希望的観測を述べると、阪神にはこういうときに新しいリリーフスターが現れる伝統みたいなものがある。リリーフ王国というのは決して近年だけのことではなく、1990年代の暗黒時代から、もっと言うとその前の80年代からずっとそうだった。阪神のリリーフ投手といえば00年代のJFKがあまりに有名だが、その3人以外にも年間50~60試合を投げ抜いて、防御率1~2点台を記録した栄光なき名リリーバーがいかに多かったことか。