阪神“ザル守備”でオリに負け 首位でも失策12球団ワーストT
甲子園球場のファンが何度もため息を漏らした。
1日のオリックス戦、阪神はミスに足をすくわれた。三回、二塁・木浪が真正面のゴロを絵に描いたようにトンネルすると、2―2の同点で迎えた八回1死一塁の場面では、併殺を狙った遊撃・中野が二塁悪送球。その後、安達に勝ち越し打を献上し、なおも2死満塁となって紅林の二塁後方のフライを二塁・小幡が捕球しきれず、2点を献上(記録は安打)。失策を機に負けを喫した。
これで今季のチーム失策数は34となり、オリックスと並んで12球団ワーストタイ。阪神の失策数は2018年以降、3年連続で12球団ワーストを記録しており、今年もザル守備は改善される気配がない。
阪神は開幕からの快進撃で首位を快走し、1日現在で2位巨人に4ゲーム差をつけているが、球際の弱さが16年ぶりのリーグ優勝を目指す上での大きな不安材料で、足かせになりかねない。マスコミ関係者が言う。
「過去10年間のセ・パの優勝チームで失策数がリーグ最多だったのは20チーム中3チーム。11年の中日、18年、19年の西武です。しかし、これらはあくまで例外。11年の中日はシーズン途中に落合監督の電撃解任が発表され、チームは一致団結。12球団屈指の投手力をバックにプロ野球史上初めて、チーム打率、得点数ともにリーグワーストで優勝した。西武も18年、19年はいずれもチーム打率、得点、盗塁数が12球団トップ。守備力、投手力の弱さを補って余りある打線の破壊力があった。優勝チームの4分の3にあたる15チームが失策数の少なさでリーグ3位以内に入っています」
今季の阪神は、セ・リーグの中では投打のバランスが良いとはいえ、エラー撲滅は急務だ。