32年ブリスベン“超スピード内定”が証明した五輪人気の凋落
異例の超スピード決着となった。
国際オリンピック委員会(IOC)は10日の理事会で2032年夏季五輪の開催地を豪州ブリスベンに一本化。7月21日の総会で承認されれば、開催11年前の超前倒し決定となる。
IOCは19年、大会の7年前に開催地を決めるルールを撤廃し、招致に関心を示す都市とIOCが面談し、候補地を“一本釣り”できるよう変更した。32年大会は韓国、ドイツ(ルール地方)、インドネシア、カタール(ドーハ)などが立候補を検討したが、IOCは今年2月にあっさりとブリスベンを優先候補地に選定。これに異を唱えたのは、政治利用目的で北朝鮮との共同開催をもくろんでいた韓国くらいだったという。
五輪人気が低下した最大の要因は莫大な開催費用。その大半を開催都市が負担するため、国や都市の財政を圧迫。世界各都市の招致熱は年々冷え込んでいる。20年、24年夏季五輪招致を検討していたローマは財政難により、2度にわたって撤退を余儀なくされている。
無論、世界的なコロナの感染拡大も大きく影響している。