岩田健太郎氏「万にひとつでも東京五輪が成功すると日本の感染症対策が死ぬ」
万にひとつでも東京五輪が成功したら、日本の進歩はありません。長期的にはさらなる手痛いダメージを負う可能性があります。ただでさえ、「安心・安全」「成功だった」と片付けることのできる余地を残した東京五輪です。間違った教訓を植え付けないためにも、私はこの時期の開催には反対です。
▼岩田健太郎(いわた・けんたろう) 1971年、島根県生まれ。2008年から神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)。昨年2月、専門家としてダイヤモンド・プリンセス号に乗船し、現場の惨状を伝えたことで世間に大きな衝撃を与えた。著書に「麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」「予防接種は『効く』のか? ワクチン嫌いを考える」など。