中日vsヤクルト戦「塁審見逃し事件」の“真犯人”は? 元セ・リーグ審判員が解説
■審判に対するリスペクトの土壌を
MLBでは日本で考えられないようなミスジャッジも多いが、審判に対する見方は米国の方が一歩進んでいるという。
「MLBは1A、2A、3Aとひとつずつステップアップしてメジャーの審判になれる。そういう意味で、選手たちは審判に対して『丁寧に実績を積み上げた人なんだ』というリスペクトがあります。米国は『選手はプレーするのが仕事』『アンパイアはそれを裁くのが仕事』という一本のラインが確立されている。日本も僕が現役の頃よりはリスペクトされるようになりましたけどね。審判に暴力をふるっても出場停止にならない酷い時代もありましたから。張本(勲)さんや金田(正一)さん……いま米国でやったら永久追放レベルですよ。ヤジも酷くて、二軍戦で高卒ルーキーに『篠宮、昨日かあちゃんと喧嘩したのか』とヤジられて、何でこんな若造に……と思ったこともあった。日本は子供の頃から審判に対するリスペクトの土壌をつくっていくべきです。少年野球のときから(指導者が)『きょうの審判はそこストライクだぞ』とか言っていますから」