巨人打線は新戦力機能せず…「選球眼」「機動力」でもヤクルト・阪神に負けていた
チームに3割打者が一人もいないのは物足りない。規定打席に到達しているのも、打率.273の松原を筆頭に、坂本、岡本和、丸の4人だけ。2位阪神は8人、首位ヤクルトは6人。やはり、ある程度は固定したメンバーで戦わないと、打線は落ち着かない。
今季加入した新外国人テームズ、スモーク、ハイネマンの3人の野手がほとんど働かずに全員帰国してしまった。FA補強した昨季の打率リーグ2位の梶谷が故障で長期離脱。8月に日本ハムから無償トレードで獲得した中田も起爆剤にはならなかったのも痛かった。
ヤクルトはオスナ、サンタナが機能した。巨人は新戦力が誰も戦力にならなかったのだから、苦戦を強いられて当然だ。
機動力が使えなかったのも気になった。チーム盗塁数は112の阪神がトップ、ヤクルトが70で2位。巨人は3位の65だ。リーグを連覇した2019年は83で2位、20年は80でトップタイだったから、明らかに減っている。スタメンに機動力を使える選手が少ないため、攻撃時に仕掛けられない。あと1点が取れず、引き分けが最も多い20試合。勝ち切れなかった印象である。
(内田順三/元巨人打撃コーチ)