ヤクルト2位・丸山和郁の両親を青ざめさせた「4歳の大冒険」ゲーセン目指し3km歩いた身体能力
丸山が武器とする50メートル5秒8の俊足、プロから声が掛かるほどの打撃センスは誰の血なのかと両親は揃って首をかしげる。だが、その飛び抜けた身体能力の片鱗は4歳時から見せていたようだ。
「私が所属していたママさんバレーの大会に連れて行った時のことです」と、妙子さんがこう続ける。
「見学に飽きたのか和郁が『(スーパーの中にある)ゲームセンターに行きたい』と言い始めた。ダメだと諭しましたが、まったく聞く耳を持ってくれない。私もカチンときて、『それなら行ってきなさい』と突き放したら、まさか本当に1人で行ってしまうとは……。会場の付近には大きな用水路や、見通しの悪い大通りもあります。生きた心地がしませんでした」
話を引き取るのは与史夫さんだ。
「車で見回った私が発見しました。会場から3キロも離れた場所で、キチンと道路の右側を歩いていたんです。4歳なのによく歩いたなと。けれども、ゲームセンターとは逆方向。『どこへ行くの?』と聞いたら、『お金がないから家から取ってくる』です。道も合っていたし、しっかりしているなと感心しましたね(笑い)」