ロッテ山口航輝はCSファイナル進出の立役者 一流打者たちの徹底指導で「逆方向の申し子」に
「秋の夢 心は一つ 日本一」
鋭い打球で秋空を切り裂いた男が一句詠んだ。
7日に行われたパのCSファーストステージ2戦目、3打数3安打2打点と活躍したのがロッテの山口航輝(21)だ。
四回に同点適時打を放つと、六回には右翼ポール直撃の勝ち越しソロ。山口の活躍もあって引き分けに持ち込んだロッテが、首位オリックスへの挑戦権を得た。山口は秋田の明桜高校から2018年ドラフト4位で入団した3年目。当初は得意の俳句ばかり注目されており、2年間はファーム暮らし。バッティングの素質はピカイチでも、伸び悩んでいた。
そんな山口に「こんな右バッター、見たことがない」と驚愕したのが、ホークスで三冠王に輝いたこともある松中信彦臨時打撃コーチだ。持ち味である逆方向への強い打撃を開花させるため、今春のキャンプで下半身中心の打撃を徹底指導。2000安打を達成した球界屈指の左打者、福浦二軍ヘッド兼打撃コーチもバッティングを教えた。
今季、レギュラーシーズンは78試合で打率.207、9本塁打、20打点。昨季まで一軍出場がなかったことを考えれば十分な成績だ。さらに安打の3割以上が右方向で、右翼スタンドに本塁打を2本打つなど、着実に素質を開花させつつある。