今年のワールドシリーズは父親に軍配…メジャー歴代「ファミリー対決」の人間模様
1975年にはナックルボーラーのフィル(ブレーブス)とジョー(アストロズ)のニークロ兄弟が投げ合った対決があった。弟のジョーが兄フィルのナックルをレフト席に叩き込んだソロアーチが決勝点となって4―3で弟に勝ちが付いた。ジョーはナックルボーラーでは兄フィルの通算318勝に次ぐ221勝を記録した大投手だが、打つ方はからきしダメで1165打席で本塁打は1本だけ。その1本がこのアーチだった。
2009年にはドジャース対エンゼルスのLA同士の試合でジェフ・ウィーバーとジェレッド・ウィーバーの兄弟対決が実現した。LA在住の両親(父デーブ、母ゲイル)はゲームが近づくにつれてどちらにも負け投手になって欲しくないという気持ちが募り、中立をアピールするため、レプリカユニホームの真ん中をタテに断裁して片側半分がド軍、もう半分がエ軍のユニホームになった応援ウエアを作り、それを着て球場で観戦した。これは大うけでテレビカメラに何度も映し出されたが、肝心のジェフとジャレッドの兄弟は序盤から制球が定まらず、結局10安打5失点でKOされた弟ジェレッドが負け投手、6安打されながらも五回まで何とか持ちこたえた兄ジェフに勝ちが付いた。メディアの中には「内容的にはどちらも負け投手。本当の勝ち投手はウイットのきいた中立ユニホームで球場を盛り上げたご両親」と書いたところもあった。