北京五輪派遣“玉虫色”決着の裏に…山下JOC会長「東京のカタキは札幌で」の野心
間を取った形となった。24日、日本は来年2月開幕の北京冬季五輪に政府閣僚の派遣を見送ることが決まった。代わりに、東京五輪組織委員会の橋本聖子会長(57)、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)らを送り、選手は予定通り派遣する。
「外交的ボイコット」を表明している米国に足並みを揃えつつも、経済的な依存度が大きい中国に対する配慮も見せ、バランスを取った格好となった。
この「玉虫色」の決着の裏には2030年冬季五輪の札幌招致活動が見え隠れする。28年にロス夏季五輪を控える米国は強気に出たが、フランスは直近の24年にパリ夏季五輪を控えていることもあって外交的ボイコットを見送った。
30年冬季の開催地は早ければ来年にも決定する。それまで日本としては関係各所を刺激したくないし、IOCに協力的な姿勢を見せる必要がある。さらに、誰よりも札幌招致に躍起になっている人物がいるという。
■「札幌で東京のリベンジをしたい」
「山下会長は親しい関係者に、『札幌で東京のリベンジをしたい』と漏らしているそうです。東京五輪は新型コロナの感染拡大で1年延期、そして、ほぼ無観客での開催。IOCのカネに関する醜聞から、開催自体に反対する意見も目立ち、五輪のイメージは地に落ちた。山下会長はモスクワ五輪ボイコットの“犠牲者”として知られ、『選手が同じ目に遭ってほしくない。何が何でも選手は派遣させる』という熱意もある。その一方で、自国での五輪通常開催の実績が欲しいという野望も胸に秘めています。ああ見えて策士な一面があるというのは、ひそかに知られた話です」(放送局関係者)
山下会長は昨年1月にIOC委員に就任。人情派に見えて、実は食えない野心家なのかもしれない。