NHLが北京五輪不参加でIOCは“ドル箱”失い大ダメージ! テレビ視聴率の急落が確実に

公開日: 更新日:

「ドル箱」が撤退を決めた。

 北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)と選手会が来年2月の北京五輪に参加しない方針を固めた。新型コロナウイルスの感染再拡大が主な理由。五輪期間中に感染が判明した際、長い隔離期間によるリーグ戦への影響を懸念したという。

 NHLでは今月に入って感染者が続出。50試合が延期となった。北京五輪が開催される2月はシーズンの真っただ中。無観客で実施するなど、すでに莫大な経済的損失を負っているため、五輪よりリーグの利益を優先した側面もある。

 野球ではMLBがメジャーリーガーの五輪参加に消極的なことで知られるが、NHLは1998年長野大会から五輪に参加。前回の平昌こそ選手の派遣を見送ったが、反発した選手会が労使交渉の末に今回の北京、26年のミラノ大会への出場を勝ち取っていた。

 NHL選手の撤退で一番の打撃を受けたのは、国際オリンピック委員会(IOC)だ。アイスホッケーは欧米では絶大な人気を誇る。ホッケーが国技のカナダが金メダルを獲得した10年バンクーバー五輪では、米国との決勝戦をカナダ国民の80%が視聴したとされ、米国でも2760万人がテレビに釘付けとなった。

 NHLスターの穴埋めをするのは欧州リーグでプレーする選手や大学生だというから、欧米での視聴率急落は避けられそうにない。北京五輪そのものへの期待感、注目度も萎む。IOCはドル箱の撤退に肩を落とすしかないだろう。“形だけ”の外交ボイコットよりダメージは大きそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…