「おまえはキャッチャーはクビや!」星野監督に外野コンバートを通告された
浜松でのヤクルト戦で、先発の鈴木孝政さんとバッテリーを組んでいた私は、直球が走っていたにもかかわらず、投手コーチに言われるがままに変化球を要求。荒井幸雄にチェンジアップを本塁打された。
指示通りなのに、ベンチでそのコーチに「中尾、なんで真っすぐが走っているのに変化球を投げさせたんや! リードミスや!」と大声で言われ、カチンときた。
収まりがつかない私は試合後、就任1年目の星野仙一監督の宿舎の部屋へ行き、「あのコーチに『変化球を多く投げろ』と言われたんです。あの人がコーチじゃ捕手なんてやってられません」と直談判すると、腕組みをしながら、こう言うのだった。
「分かったから、もうそれ以上は言うな」
その年は捕手を続けたものの、翌1988年の春季キャンプで、星野監督にこう通告されることになる。
「おまえはケガばっかりしとるから、キャッチャーはクビや!(若手捕手の中村)武志も良くなってきたし、外野にコンバートや!」