星野監督から湯治先の温泉宿に「トレード決まったぞ」と電話がかかってきた
中日が6年ぶり4度目のリーグ優勝を果たした1988年オフ、長野の昼神温泉で湯治をしていた私に星野監督から電話がかかってきた。
「トレードが決まったぞ」
「どこですか?」
「巨人の西本(聖)とや」
私と巨人・西本聖、加茂川重治の1対2のトレードだという。
■1億円の自宅を建てたばかりだが…
今でこそ、相手側から求められていくというニュアンスがあるが、当時のトレードは追い出されるイメージ。やっぱり中日に愛着があった。名古屋に1億円で120坪の家を建てたばかりでもあった。私はすぐにこう口走っていた。
「拒否しちゃダメですか?」
「あかんに決まっとるやろ! 拒否したら引退やぞ」
ちょうどその頃、当時の妻と離婚話が進んでいたのを星野監督も知っていた。
「東京へ行って、心機一転やり直せ」とのことだった。