巨人菅野はワリを食うか、救われるか…桑田コーチ「S班の実戦登板はキャンプ後」の吉凶

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 巨人菅野智之(32)、山口俊(34)らS班の投手は3月になるまで実戦で投げられない──。

 桑田真澄投手チーフコーチ(53)が「(S班の実戦は)基本的にキャンプ後でいいと考えている」との方針を示しているためだ。今キャンプは1イニングでも多く若手を登板させる意向で、一軍枠をかけた競争が優先された。桑田コーチは「投げたいと言えば投げさせてあげたいけど」としているものの、これだけ「若手、若手」と言われたら、主力としては「投げたい」とは言いにくい。これでワリを食うのは、昨季6勝7敗に終わった菅野ではないか。

桑田コーチが菅野にストップをかけている可能性

 ヤクルトの元エースとして2度の開幕投手を務め、1998年には17勝を挙げて最多勝、沢村賞に輝いた評論家の川崎憲次郎氏がこう解説する。

「例年は2月後半に実戦登板をして開幕まで段階を踏んで調整をしていたのに、今年は3月まで待て、となれば焦るでしょう。ただ、昨年の不調は、春先に痛めた右肘や古傷の腰といったコンディションの問題が大きかったように思う。菅野ほどのキャリアの持ち主なら、3月から3度の調整登板で十分開幕を迎えられる。むしろ逆の効果が期待できるのではないか」

 どういうことか。川崎氏が続ける。

「ボクの場合、98年の春のキャンプで一度しかブルペンで投げなかったことがあります。前の年に右肘を故障したことで、当時ヤクルトが提携していた米インディアンスのトレーナーに完全ノースローを指示されたからです。もう治っていたので、本当に大丈夫なのかと不安で不安で仕方なかった。だから1回だけこっそりブルペンに入ったんですが、ほぼノースローを貫いて、その分は右肘を強化するウエートトレーニングだったり、他の練習に費やしたことで、最多勝を取ることができた。故障持ちのベテランは、キャンプで投げない年があっていいというのが持論。菅野はこれまで散々投げてきただけに勤続疲労も蓄積しているはず。ブルペンはともかく、実戦での登板は力も入るし、負担の度合いも違う。実は桑田コーチが菅野にストップをかけている可能性もあるとみています。任されている分、例年以上に結果が求められるシーズンになりますが……」

 若手のサバイバルに満身創痍のエースが救われることになるか。

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