これがMLB労使交渉の実態…超高給取りと超金満球団のケンカだったバカバカしさ
米国のファンからも「富豪と大富豪のケンカだ」と皮肉られていた、今回のMLB労使交渉。ともに資金力のある「選手会」vs「30球団のオーナーサイド」という対立構図はあったにせよ、内情はいささか異なる。
顕著なのが「一番の争点」といわれていた「ぜいたく税」だ。年ごとに決められた球団総年俸額を超過した球団は、その額に応じたカネを徴収される。このカネがぜいたく税だ。
当初、オーナーサイドはこの限度額を2億1400万ドル(約248億円)と提示するも、選手会は2億4500万ドル(約284億円)を要求。結果的に双方歩み寄ったものの、大半の球団と大多数の選手は冷めた目で見ていたはずだ。
昨年、限度額を超えてぜいたく税を支払ったのは30球団中、ドジャースとパドレスのみ。2019年はヤンキース、レッドソックス、カブスの3球団だった。03年から導入されたこのシステムが最も多く適用されたのは16年の6球団。ヤンキースが計16シーズンも適用されたように、限度額の多寡に影響されるのは一部の金満球団のみ。まさに「ぜいたく税」の名の通りだった。