MLB労使交渉で突如浮上 「国際ドラフト」の中身と選手会が猛反発する真相
労使交渉の最終盤で突如浮上したのが「国際ドラフト」だ。MLB側からの提案で、一度は選手会も「NO!」を突き付けるも、今年7月までの継続審議とすることで両者とも矛を収めた。
国際ドラフトとは、これまで各球団が独自に獲得してきた中南米の選手を入札形式で30球団に振り分けるもの。6日付の大リーグ公式サイトによれば、各球団は20巡目まで指名可能で、欧州などの野球が盛んではない国・地域の選手を含む合計600人以上が指名される。
契約金は指名順位ごとに定めており、全体1位の選手は約6億1000万円、トップ600人の契約金総額は約200億円となる。
中南米のアマ選手を巡っては、「ブスコン」といわれる野球ゴロが契約金の一部をピンハネする行為が問題視されてきた。MLBとしてはそんな悪習を断ち切りたいわけだが、このシステムでは従来に比べ、有力なアマ選手が手にする契約金は大幅に減る。そのため、昨季のナ・リーグ本塁打王(42本)でパドレスのタティスJr.内野手(ドミニカ共和国)ら多くの中南米出身選手が真っ向から反対している。