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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

藤浪はジキルかハイドか…矢野監督に望む、いっそのこと我慢して使い続けて欲しい!

公開日: 更新日:

 そもそも昨年の藤浪だって、キャンプではワインドアップの新フォームや変化球の精度向上が話題になるなど復活への機運が高まっており、高山俊とともにキャンプMVPの称号を矢野燿大監督から授かっていた。オープン戦でも3試合に登板して防御率2.77と安定感を発揮し、自身初の開幕投手に抜擢されたものの、いざシーズンが始まってみると、結果はご存じの通りだった。

 その前年、2020年もそうだ。過去の記録を掘り起こしてみると、この年も3月11日のヤクルトとのオープン戦で4回2安打無失点5奪三振の快投を見せ、新聞の大見出しを飾っていた。もしや藤浪は3月中旬に一度は表の目を出すのかもしれない(この後、例のコロナ騒動があった)。

 だから藤浪はわからない。今年こそは復活するなんて気安く口にできないし、楽観的に考えることも無理な話だ。しかし、このパターンがもう飽きるほど続いているのに、それでも藤浪に期待してしまうのも虎党の悲しい性なのである。

■ジキルかハイドか

 だったら、矢野監督に望みたいことはシンプルにひとつ。先発6番手でいいから、もういっそ藤浪を我慢して使い続けてほしい。あまりにひどい大炎上が5、6試合続くならさすがに考えものかもしれないが、ジキルとハイドがころころ変わるくらいなら、中途半端に二軍降格やローテ外しなどせず、良くも悪くも藤浪を見続けてみたい。

 もしかすると、これが最後通告になるのかもしれないが、それくらい起用され続けないと、頭にこびりついた藤浪の怪物幻想は消えないのだ。

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