リュディガー率いるドイツDF陣は「強くて高い」! 日本に堅牢守備を突破できるのか
ドイツ(2)守備力
カタールW杯の優勝候補の一角を占めるドイツは、欧州予選10試合で36得点の攻撃力も凄まじいが、失点4という堅牢な守備力も大きな強みとなっている。ベルリン生まれのDFリーダーは、ドイツ人の父とシエラレオネ人の母を持つリュディガー(29=チェルシー)である。身長190センチ・体重85キロ。強くて速くて狡猾なCBが、チームを5度目のW杯戴冠へと導いていく──。
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18歳だった2011年にプロデビュー。15年にシュツットガルトからイタリア・セリエAの名門ローマに移籍。2年後に英プレミアの強豪チェルシーに引き抜かれ、ドイツ代表でも主軸DFとしての地位を確立した。
「チェルシーでも毎シーズン、トップ級のパフォーマンスを披露。ドイツ代表でも<代えのきかない主力中の主力DF>です。フリック監督(57)は4DF-2守備的MF-3攻撃的MF-1トップをベースに対戦相手に応じて3DFの布陣を敷くこともあるが、どちらのシステムであってもリュディガーが、盤石のDFリーダーとして揺るぎない地位を築いています」と話すのは、独1部ビーレフェルトの元コーチで評論家の鈴木良平氏である。
リュディガーとのCBコンビ候補の1番手が、バイエルン・ミュンヘン所属の26歳DFジューレ。身長195センチ・体重89キロの偉丈夫。ドイツゴール前にそびえ立つ「強くて高い山」である。
2番手は、22歳の若きCBシュロッターベック(フライブルク)。身長191センチ・体重84キロ。21年9月のW杯予選で代表デビューの新鋭だ。
「2人とも能力的に問題はないが、ジューレは体重オーバーなどコンディション不良の時があり、集中力に欠けるプレーも散見される。シュロッターベックは、やはり国際大会の経験不足が懸念材料です」(鈴木氏)
ベテランGKノイアーの圧倒的存在感
3DFの場合は「リュディガー、ジューレに加えてパリSG所属のDFケーラー(25)がトリオの一員としてプレーするでしょう」と元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう続ける。
「ケーラーは身長186センチ・体重76キロ。平均身長190センチの3DFを相手に日本選手が高さで争っても勝ち目はないし、フィジカル的な強さで勝負しようにもはね返されてしまう。森保ジャパンは発足した当時、身長167センチの中島、172センチの堂安、173センチの久保に174センチの南野を重用したが、小柄で俊敏な選手がスピーディーかつトリッキーに動き回り、屈強なドイツDFをかく乱する戦法が、最も有効な手だてかも知れません」
もっとも、何とか守備網をかいくぐったとしても、目の前には代表歴100試合を超えるベテランGKノイアー(36)がデンと構えている。
「相手FWとの1対1の大ピンチ、至近距離からのボレーシュートを何度も神懸かり的セーブで防いできました。そういうビッグプレーを<大きな国際大会の決勝など重要な局面でたびたび見せてきた>ことが、彼を長らくドイツ代表の第1GKの座にとどめている」とは前出の鈴木氏。
果たして森保ジャパンは、ドイツ相手に何ゴール決められるか?
(次回はキープレーヤー)