大谷翔平が決め球スプリット“封印”の思惑 奪三振ショーは熾烈なシーズン終盤まで温存
■過去の教訓
この日、エ軍のマスクをかぶったのは故障で離脱したスタッシ、スズキに代わって8日に3Aから昇格したウォラック。昨年8月にドジャースから移籍したウォラックとは初めてバッテリーを組むだけに、パスボールを警戒してスプリットを自重したことに加え、過去の経験を生かしたのだろう。大谷の決め球であるスプリットは極力、シーズン終盤まで温存した方が得策ともいえるからだ。
エ軍の本拠地アナハイムは年間を通じて乾燥していることで知られる。大リーグ公式球は、ただでさえ滑りやすく、昨季序盤の大谷はスプリットを操り切れず、痛打を浴びる場面もあった。しかし、米気象サイトによると、アナハイムはシーズンを追うごとに湿度は上昇傾向、地区優勝、ポストシーズン進出争いが熾烈になる8~10月はいまの時期と比べて雨量も増え、指やボールの乾燥が防げるため、スプリットを操りやすくなるのだ。
今年の8~10月にはマリナーズ戦7試合を筆頭に本拠地で同地区との対戦が計19試合組まれている。過去4年の経験から、勝負どころはシーズン終盤になると睨んでいるのだろう。
大谷の思惑通りなら、熾烈なポストシーズン進出争いのさなか、奪三振ショーを演じることになりそうだが……。