ヤクルトと阪神「2年で大差」のナゼ 一昨年は虎2位・燕最下位→昨季V争い→今季16.5ゲーム差
つまり、ヤクルトは首脳陣がアタマを使って阪神との戦力差を埋めているということだろう。
「打撃も同じです」と前出の飯田氏が続ける。
「ヤクルトと阪神の大きな差は打撃力。ヤクルトには村上ら一発のある打者がいるものの、チーム全体で戦略を持って戦っている。自由に打っているのは山田と村上くらい。初球からガンガン振る一方で、追い込まれたら粘る。自分自身がアウトになっても、勝つことを優先して走者を進める打撃もしている。片や阪神は打てば勝てるはずですが、マルテやロハスら助っ人の故障や不振が誤算とはいえ、個々の選手の調子に頼っているというか、自分が打って点を取ればいいというように見える。
選手の調子がいいときは得点できても、調子に波があるのは、こうしたところに原因があるのではないか。12球団どこのチームの監督、コーチも、例えば『追い込まれたら粘りなさい』というような指示はしているはず。しかし、それを打者が徹底できるかどうかは、監督、コーチの腕次第。『口酸っぱく言っているんだけど……』というんじゃダメなんです。ヤクルトはそれだけ監督力、コーチ力が高いと言えるでしょう」
矢野監督は4月、テレビ中継時の勝利監督インタビューで詩が書かれた色紙を紹介するなどして波紋を呼んだが、首脳陣の頭脳の差が成績に表れていると言えそうだ。