大谷翔平の2年連続MVPにライバル次々太鼓判なのに…選出は「今季が最後」になる根拠
「二刀流」が当たり前になりつつある
大谷は前半戦、投手として15試合に登板し、9勝4敗、防御率2.38、123奪三振。DHとしてチームトップの89試合に出場し、打率.258、19本塁打、56打点。マルティネスが指摘したWARは投手3.2(リーグ3位)、打者1.7で合計4.9。投打合算したWARは当然、ダントツで、今季のMVP争いを大谷とジャッジ(WAR4.5)の一騎打ちと予想する米メディアは少なくない。
大谷は後半戦、投打とも好調をキープすれば、バーランダーらの見通し通り、2年連続のMVP受賞も夢ではない。サイ・ヤング賞と合わせて同時受賞にも手の届く位置につけているが、記者の投票によって決められるMVP選出は今季が最後になる可能性もある。
「大谷は投打のWARが合算されるため、どちらか片方の選手と比べるとMVPレースでは俄然、有利です」と大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう続ける。
「投打の二刀流をこなしながら、ほとんど休むことなく試合に出続けているだけでも称賛に値しますが、今ではそれが当たり前のことのようになりつつある。仮に今オフ、2年連続の栄誉を受賞しても、今季の成績が基準となり、来季以降は同程度の成績では評価されないことも考えられます。投手、野手のいずれかで大谷を上回るWARを記録した選手が出れば、そちらに票が流れると思う。大谷が来季以降もMVPを手にするには最多勝や本塁打王などタイトル獲得が条件になるかもしれません」
MVPは記者の印象度が重要だ。二刀流はスゴいことでも、何年も続けていればそれが、当たり前になってくる。年々、ハードルが高くなるのは当然だ。