あり得ないことが立て続けに起こって横浜へのトレードが決まった
同一リーグである横浜とのトレード
こうして山室代表補佐との1回目の交渉は終わった。山室さんには移籍先の希望などは一切、言っていない。巨人が同一リーグとトレードする可能性も低いと思っていたものの、山室さんとの交渉後、横浜の権藤博バッテリーチーフコーチが、監督に昇格。権藤さんは近鉄時代の投手コーチでもある。山室代表補佐は権藤さんとパイプがあったようで、2人の間で話し合いがまとまったのだろう。
2回目の交渉が始まるなり、山室さんはこう切り出した。
「キミの考えていることは、うまくいったよ」
「えっ、それはどういう……」
「トレードです。横浜とのトレード。永池恭男選手との1対1です」
同一リーグである横浜とのトレードが決まったのは驚きだった。
「ありがとうございます」
こう言って頭を下げると、山室さんはこう続けた。
■「権藤さんのことは前からよく知っていてね」
「権藤さんのことは前からよく知っていてね。非常にユニークな人だから、監督として楽しみだよね。かつての投手コーチが監督になったのだから、チームにはスムーズに馴染めるでしょう。横浜に行っても頑張ってください」
契約交渉の相手が深谷代表から山室代表補佐に代わり、山室さんとの交渉後、権藤さんが横浜の監督になった。あり得ないようなことが立て続けに起こり、横浜への移籍が実現した。
過去にあまり例のない同一リーグへのトレードを成立させてくれた巨人には感謝している。
(つづく)