大広にも家宅捜索、五輪贈収賄汚職拡大で札幌に大逆風…市長とJOCがIOC訪問を中止
逆風が吹き荒れている。
2030年札幌冬季五輪招致を目指す札幌市は昨5日、今月中旬に予定していた秋元克広市長のスイスのIOC(国際オリンピック委員会)本部訪問を中止したと発表。同日、JOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長も「私とIOCで先週末に話をしたとき、なかなか日程調整がつかなかった。両方から、今回はなしにしようということになった」と経緯を説明した。
「日程調整」を理由に挙げたものの、東京五輪のスポンサー選定をめぐる組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)による贈収賄事件が影響していることは間違いない。
元理事側への資金提供に関しては、「AOKIホールディングス」と「KADOKAWA」の2社に加え、この日、東京地検特捜部が広告大手「大広」を家宅捜索。大広は大会スポンサーの獲得業務協力店に選ばれるよう高橋容疑者に依頼、その見返りとして1400万円を渡した疑いが浮上した。
芋づる式に汚職が明るみになる東京五輪のスポンサー関連企業。招致当時は多くの企業が群がり、その枠を巡る争奪戦が繰り広げられたが、今回の一件によってその風向きが変わることは間違いない。スポンサーに名を連ねる企業は痛くもない腹を探られる。今後は五輪スポンサーに名乗りを挙げる企業が減っても、何ら不思議ではない。