花巻東「捕手・麟太郎」挑戦の裏に“反面教師”清宮幸太郎 潰し利かない「一塁専任」に危機感
「捕手・麟太郎」が初めてスタメンマスクをかぶった。
大阪桐蔭・中村(現西武)と並ぶ高校通算83本塁打を放っている花巻東(岩手)の佐々木麟太郎(2年)が5日、秋季岩手大会の出場権をかけた地区予選の花巻北戦で「捕手」として公式戦初先発。五回の守備から一塁へ回った。
打っては4打数無安打に終わったものの、試合は8-1で七回コールド勝ち。花巻東はすでに県大会出場を決めており、これで第1代表となった。
小学4年から6年まで捕手だった。3月のセンバツ後に「複数を守れて損はない」と5年ぶりに捕手の練習を再開したという。2日の試合では五回の守備で公式戦の捕手デビューを果たしていた。
さる球界関係者がこう言った。
「もちろん、来秋のドラフトを視野に入れてのことでしょう。最近は『一塁しか守れないとプロでは潰しが利かないから苦労する』というのは常識。実際、本塁打を量産しているのに『一塁手専任じゃねえ……』というスカウトが増えていた。周辺から助言されたこともあり、麟太郎と花巻東の佐々木監督が捕手転向というより『兼任』を決断した。同じ左打者のスラッガー・高校通算111発で歴代1位の清宮(早実)は一塁専任で日本ハム入りしたが、プロ入り後に守備位置も含めて苦労しているところが“反面教師”になっているようです」